ご本人とご家族のケア—依存症ケア団体

このサイトをみているのが本人さまかご家族の方か、私にはわかりません。しかし、大事なことは「依存症を治すにはご家族の助けが不可欠」だということです。

精神科医はこのように言っています。

家族が変わると、家族と本人の間の関係が変わる。そうすると結果的に本人が変わる。

まさにその通りだと思います。依存症に陥っていることで家族が変わってしまいます。そうすると、それは結局家族が本人を変えてしまっていると同じことなのです。しかし逆を言えばそれくらい影響力のあるご家族のかたにしかできないことがあります。

また、ある精神科医のかたは患者にこのようなことを言われたそうです。

嗜癖(しへき)でたくあんになった脳みそは、二度と大根には戻らない。

それくらい脳に影響を与えるということであり、治療の大変さを伺える患者さんのリアルは発言は、私の胸に刺さりました。依存症を治すということは、一生かけてやり遂げる覚悟がいり、ご家族のかたも相当な覚悟が必要なのも事実です。


パチンコ業界が専門の相談機関を設立

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そんな中、約10年前にギャンブル依存症に悩む人や家族を支援する専門の相談機関を、パチンコ業界が設立しました。電話相談のホットラインや、相談員を各地で育て、回復支援プログラムの開発に取り組み、依存患者の救済に、業界自らが乗り出すという不思議な展開。いままで依存症支援は各地の相談機関などが個別に行っていたりしましたが、全国的な組織による取り組みは初めてだということです。しかもそれがパチンコ業界からというからまた驚きですね。

設立されたのは「ぱちんこ依存問題相談機関 リカバリーサポート・ネットワーク」というもの。全国のパチンコ店でつくる全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)が5年間で1億円を出資する。健康の問題や借金の返済法などの相談をホットラインで受け付け、必要に応じて各地の精神保健福祉センターや自助グループ、司法書士を紹介するというものです。各地に配属されているソーシャルワーカーの方には、依存症特有の問題を学んでもらい機関認定の相談員に育てます。事例をデータベース化し、依存症回復のプログラムづくりもする、「依存症専門のケアサポーター」として患者の克服を共に目指します。

↑こういうやつです。


 

私の感想

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このケア団体を業界が設立したのは、良いことだとは思うのですが、なぜか腑に落ちない自分がいます。良いことをしているはずなのに・・・このモヤモヤ感、どなたかわかっていただけるでしょうか?悪いことだとは全く思わないのですが、「罪滅ぼし?」「そもそもの原因を作ったのは・・・」と思ってしまうのは、私だけでしょうか。

というのが私の素直な感想です。もちろん、今回はパチンコ業界が設立したケア団体を紹介しましたが、全く別で全国で依存症の患者さんを少しでも減らそうと日々奮闘していらっしゃる方たちもいるので、私はそういう方たちは迷わず支援します。素晴らしいと思います。私もこういったサイトを作って全国の依存症の方が少しでも減れば、少しでも役に立てたらいいなと思っているので、そういった意味では同じかもしれません。


 

ギャンブラーズ・アノニマス(GA)という団体

一番有名で、大きなグループなのはこのギャンブラーズ・アノニマス(通称:GA)と呼ばれるギャンブル依存症の克服を目指す団体です。
もともとこの団体の発祥はアメリカなのです。
カリフォルニア州のロサンジェルスで1957年1月にギャンブル依存症に苦しむ男二人が偶然出会ったことから、すべては始まっています。
いま日本に広まっているのは「GA日本」で、1989年に発足して徐々に日本全国規模の大きな団体となり、数々の人のギャンブル依存症回復に向けて奮闘しています。
気になる方はぜひ参加してみてください。


家族が変われば本人も変わる

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パチンコ依存症さまざまなケースがありますが、今回は「本人は変わる気がないが、家族が必死なパターン」を例に、どのように上記のような「ケア団体」を利用していただきたいかご説明します。

まず、ここでわかっていただきたいのは、必ずしも本人が変わろうという強い意志を持っている場合ばかりではないので、なぜ私が「家族の協力が必要不可欠である」と思うかについてです。多くの依存症患者さんの家族は、疲れ切っています。本人は変わる気なんてないのに、家族のほうが必死だったりするケースも多いのです。それによってご家族の方は疲れてしまって、結局本人との関係が変わってしまいます。そうなってしまったら本末転倒!克服するつもりでがんばっているのに、結果的に家族の絆までグチャグチャにしてしまったら、なんの意味もありませんから。そこで、私は「ケア団体」という存在をみなさまに知っていただきたいのです。今回のようなケースではなくても、知っているだけで少しでも明るい未来になる手助けができればと思っております。