【Q&A】パチンコ依存症の治療についての疑問

Q1.治療するにあたって、健康保険は使えるか?

パチンコ依存症は少し特殊な病気なので、治療する際に健康保険がきくのか気になりますよね。
いざ治療しはじめたときのために知っておいたほうがいいところだと思います。
なぜなら、パチンコ依存症は治るのかも疑問だし、その病気にかかったのは自業自得に思えるからです。
しかし、みなさまの認識と実際は少し違う部分があります。

まず、パチンコ依存症は世界で認められている病気のため、治すには治療が必要です。
そして治療は大体「精神科」で行われます。なので基本的に健康保険が使えます。
治療異常に本人や家族の治したいという意志がなによりも大切ですが、医師の治療でも十分に回復が期待できる病気です。

Q2.病院の精神科とカウンセリング施設の違いは?

Q1でもお答えしたように、パチンコ依存症であっても治療費には保険が適用されます。
しかし、パチンコ依存症の治療は病院の精神科と、病院ではないカウンセリングの治療に分かれており、両社には明確な違いがありますので、その違いをまず知ることにしましょう。

【病院の精神科】

病院の精神科は、ギャンブル依存症でも健康保険が適用されますし、薬も処方されます
当然ですが、医療機関なので医師が治療にあたります。

 

パチンコ依存症は身体的症状がとくにない場合が多いので、治療といっても医師と会話することが多いです。
なので信頼できる医師を探すのが非常に大切です。
それによって回復するか悪化するかが別れるというのは大げさですが、とても大事だということを覚えておいてください。

少し迷うのが病院にある「心療内科」という部門です。こちらは内科疾患を扱う部門で、具体的には心身症などをおもに扱います。
パチンコ依存症で受診する場合は「精神科」が適切な選択となりますのでご注意ください。

【カウンセリング】

カウンセリングは健康保険は適用されません。薬の処方はなく、依頼者から話を聞くことによって緩和していく方法をとっているのがカウンセリングの基本です。カウンセリングルームは資格がなければ開けないクリニックではありませんが、ほとんどのカウンセラーが臨床心理士の資格を所有しています。
臨床心理学に基づいてパチンコ依存症を克服していこうとアプローチするのがカウンセリングです。

しかし保険が適用とならないため、継続的に通う場合はその費用もかさみます。
治療の中盤に通うことが多くなってくると、治療費もかなりかかってしまうというところが、カウンセリングのネックです。
なかには精神科の受診を嫌う方もいるので、一概に精神科が良いとはいえませんし、とくに鬱(うつ)などを発症していなければ、パチンコ依存症の治療にはこちらのほうが効果的かもしれません。
いずれにしても、相性の良い臨床心理士に出会うことは解決の近道になるでしょう。

Q3.治療期間はどれぐらいなのか?

治療期間については症状によって個人差があるとしか言いようがありません。
数ヵ月で全くパチンコに行かなくて済むようになったという人もいますし、何年も精神科に通い続けていらっしゃる方もいます。
脳梗塞と起こしたり、骨折したりしたらリハビリを行いますね。
それと同じで機能回復がどのくらいかかるかは完全に個人によって差ができてしますのです。
一般的にパチンコ依存症の場合は依存期間が長ければ長いほど、回復(ここではパチンコを自制できるようなること)に時間がかかるといわれています。

Q4.ギャンブル依存症を専門に扱っているケア団体はないの?

ありますよ。以前こちらで紹介したものもあります。(詳しくはこちら⇒ギャンブル依存症のケア団体について
こちらではギャンブラー・アノニマス(通称:GA)と呼ばれているケア団体を紹介していたり、本人だけでなくご家族の心のケアの大切さについてかいてあります。
読んでみてください。
そして、病院に行くにしてもケア団体を訪れるにしても、大切なのは周りの人の支えがあってです。
それは忘れないでください。

Q5.具体的に治療にかかる費用はどのくらい?

パチンコ依存症を専門の病院で治そうとすると、もちろん治療費がかかります。
具体的な金額は、どこで治療するかによって金額にだいぶ差が出てきてしまいます。
大体の目安として、病院・費用とをセットで紹介します。

病院の精神科や心療内科:1回2000円程度→保険適用
カウンセリング:1回(30分~1時間)につき5,000~10.000円程度→保険不適用

上記でも紹介したように、カウンセリングの場合は保険が適用されないので、通常の病院費用よりも高くなってしまいます。
また、入院した場合はそれにプラスで入院費用がかかります。
入院する場合、その他の選択肢として自助グループやNPO法人などの「住み込みスタイル」も入ってきますので、軽く紹介します。

ギャンブル依存治療のNPO法人「ワンデーポート」:食費込みで1ヶ月で約19万円ほど

【内訳】

■入所金(利用開始時のみ)
32,400円(税込)

■入寮費(寮費)
1ヶ月/50,000円

■プログラム利用費
1ヶ月/54,000円(消費税込み)

■食費
実費

AKK(アディクション問題を考える会):無料

※(HPをみましたが、料金表が見れず。他のところには、実質50~100円の献金を求める旨が書いてあったので、その他に掛かる費用はないものと考えます。)
東京都世田谷区上北沢にあるので、近い方は検討してみてはいかがでしょうか。

特定非営利活動法人ヌジュミ:無料

※こちらも、非営利団体なので、実質無料で行っているようです。
「苦しんでいる人たちに経済的な負担をかけないで “回復のプログラムを提供したい” 」という思いのもとに成り立っています。
そのような“無償の愛”で行っているのをカウンセリングさんは見習ってほしいですね。それでは利益にならないので厳しいのもわかりますが・・

ギャンブラーズ・アノニマス:無料

自助グループなどは献金で成り立っていることが多く、ギャンブル依存症で最も有名な「ギャンブラーズ・アノニマス」もその一つです。

■料金まとめ■

・非営利団体は無料であることが多い。
国の制度などでの無料相談も利用できるので、検討する価値はありそう。

・病院は保険が適用されるのでまだ良いが、薬などもないので根本的な解決を目指すべき。

・カウンセリングは、正直名ばかりであまり充てにならないことが多い。
また、保険が適用されず値段も高いので、ぼったくりも存在するのが事実・・・
資格を持っているとはいえど、絶賛するほどの効果は見られないと思われる。
カウンセリングで治したいのであれば、利益のことしか考えていないのを承知でいくべきでしょう。

Q6.ギャンブル依存症は薬で治るの?

これはよくある質問ですが、答えは少し複雑です。依存症の根源は脳と心にあり、「射幸心」と「孤独」が関係しているといわれています。薬物依存症のような物質依存の場合は投薬による治療も採用されていますが、ギャンブル依存症は行為依存のため投薬ではなく心のカウンセリングなどを主な治療法としています。(⇒『依存症は3分類される』~依存症の種類と、クロスアディクションに注意~

依存症は薬を飲めば治るという問題ではなく複雑なので、治療をするというのは大きな決意がいるでしょう。軽度であれば行動を改善することによって解決で導くこともできるので、諦めずに治療を続けることをオススメします。

ギャンブル依存症と薬の関係性~効果的な治療法とは?~