パチンコと田舎学生物語

僕はパチンコ依存症になっているなんて自分では全く気付いていなかった。(→パチンコ依存を克服する前に~変なセミナーには通うな~)やることがパチンコ以外になくなって、周りとの会話が成り立たなくなったあたりから「荒れ?」と考え始めた。「最近パチンコしかしていない」という事実が僕のすべてになっていたのだ。

周りよりも少しだけ頭の良かった僕は地元を飛び出して中学卒業後に「高専」に通うようになったが、そこは田んぼがどこまでも続く田舎町。となりのトトロのような良き時代の面影が容赦なく残る町だ。僕がアウトドア派なら山に川に大忙しだったろうが、そういう訳にもいかなかったのだ。僕は断然インドア派で、室内で出来る遊びを常に考えていた。しかし当たりに広がるのは自然のみ…


パチンコ依存症の入口

暇を持て余す学生がすることと言えば、ギャンブルくらいでした。特に田舎で夢中になる事、それはパチンコと彼女探しくらいだろう。草食系かつ「ふつう」の僕は、近くの女子大の子と何度も合コンを繰り返すものの、すんなり成就できるはずもなくもう一方の「パチ」の方にのめりこんでしまったのだ。幸か不幸か、ビギナーズラックを手にしてしまった僕はその後、5年間暗黒時代が続いたのです。やる事のない田舎の学生ほどパチンコ依存症に成り易いのだ。それを僕は身を持って知ったのです。気づいたときにはもう手遅れでしたが・・・

朝から行っても、外を出るときは真っ暗だった。時間の流れの早さには何度も驚いたものだ。一日一日はすぐに過ぎてしまう。何をやっているんだろう?と思うのに時間はかからなかった。


パチからの脱出

そんな僕が「パチ」から脱出できたのは、初めての彼女の出現が大きなキッカケだろう。まさに女神。完全に虜。というようなありがちの展開のあと、なんと同棲する事に。財布をガッチリつかまれてしまった僕は、パチンコに精を出しているどころではなくなってしまった。

「信頼できる人に管理してもらう」というのは、情けないように感じるかもしれないが、自分でどうにかできない時は誰かに頼ってしまうのも、一つの手なんだなと確信した経験でもある。

その後彼女が上手にやりくりしてくれたことで、僕はパチンコから抜け出すことが出来た。いままでちゃんと伝えたことはないけれど、数えきれないほど感謝している。彼女が出来て僕の人生は大きく変わったように思う。結婚して6年になるが、大きな喧嘩もなく幸せに暮らしているのも彼女が奥さんだったおかげだ。この春、新しい家族が増える。パチンコを辞めてからの生活は怖いくらい幸せに溢れている。