大切な人を傷つけるパチンコ依存症

大切な人はいますか?

みなさんは、パチンコをしていて軍資金が底をついたときはどうするでしょうか?

友達に借りる?家族に借りる?恋人に借りる?消費者金融に借りる?
まず借りるという概念では選択肢はそんなところでしょう。

実体験から語る!友人にお金を借りる/貸すときの注意点


親という存在

僕は人生で最も後悔していることがあります。それは僕がまだ学生のときでした。少し悪ぶっていた僕は反抗期真っ最中。その時にギャンブルにハマり、稼いだお金は全てギャンブルにつぎ込みました。結局学校も中退してしまうのですが、それまで親に面倒をみてもらっていました。なので、何かにつけてお金を請求していました。

たとえば
・教材費として
・パソコンの調子が悪く修理代がかかる
・みんなでご飯に行くから

主に使っていたのは「修理」や「教材」でした。
その度に何も言わず母親はお金を出してくれました。勉学に励んでいるとでも思っていたのでしょうか?
それとも、全てお見通しだったのでしょうか?今更聞くことは出来ませんが、親というものは何でもわかっていたように思います。
子供の性格・嘘のつき方・考え方などを小さい頃からそばでずっと見ていますから。
にもかかわらず、文句も言わず僕を信じてお金を出してくれました。
家庭は決して裕福ではありませんし、僕を学校へ出してしっかりした大人になってもらうためにやりくりして出してくれていたんだろうと、いまになってみればわかります。

嘘をついてお金を貰うことを何回か繰り返して、僕はようやく罪悪感が沸いてきました。

このお金であの子が幸せになれる、それに比べたら出費なんて苦ではない

そう思って出してくれていること、それをパチンコに使って遊びほうけていたこと、しかし親はたくさん働いて僕を育ててくれたこと。
罪悪感から僕は様々なことを思い返して泣きました。
それがパチンコに使われていると知ったら、どんなに悲しむだろう。そう思うと胸が張り裂けそうになりました。


学んだこと

僕はそのことに気づいてからお金を貰うことはやめました。パチンコもそれからはほどほどにしています。

母親は「あんなにお金が必要だったのに、なんで急にいらなくなっちゃったんだろう」と不思議そうにしていました。
しかし、親の愛は素晴らしいと思います。
僕がいうことを全て信じてくれます。それが嘘であったとしても。
だから子供のいうことは聞いてくれるのです。
それを身を持って経験し、そして学んだことがあります。

親は僕に失敗させてくれたのだと。

僕が貰ったお金には希望を願いが詰まっていました。
たかが一万円。されど一万円です。
パチンコに使う一万円にはあまり価値はありません。なぜならそれで当たりを引けることなんてほとんどないからです。
しかし、親からもらったお年玉やお小遣いにはとても価値があります。
同じ一万円、価値は同じなのにおかしいですね。それは想いがあるか、ないかの違いだと思います。
もっと大切にしておけば良かった。
なんで親からもらったお金をパチンコなんかに使ってしまったんだろう。
いまではそう思います。

結局学校は辞めて働き始めました。最初は下っ端だった僕も、今では多少偉くなりました。
そして幸運なことに、親はまだ生きています。
「あの時あのお金でパチンコしてたんだ、知ってた?」なんて聞くつもりもありません。
それは起こしてしまったことなので、どちらでもいいからです。
親が何でもしてくれていた、愛してくれていたということに意味があり、そのことから僕はたくさん学びました。
まだ結婚しておらず、親の気持ちはわかりませんが、それは逆にラッキーと捉えて、まだまだ親孝行をしていきたいと思います。
後悔先に立たず」にならずに済んで本当に良かったと思います。
まだまだしてあげたいこと、みせてあげたいものがたくさんありますから。
パチンコをしていて、お金を作るのに必死だった僕は、大切な人を失うところでした。
もしかしたら失ってからも気づかなかったかもしれません。
しかし、事実僕は途中で気づきました。親や家族がどれほど大切な存在か自分の中でハッキリと感じました。
失わずに済んで本当に良かったと思います。
これから僕にやってあげられることを増やしていきたいので、そのためにもがんばります。

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