依存症が「一生治らない」は間違い?!見本にしたいポルトガルの治療法とは

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「元ギャンブルが見るギャンブル依存症とは」という視点で発信しています。
元患者だからこその意見をみていただければと思います。

日々依存症に携わっている人の貴重なケースを参考にしながら、「依存症の常識で間違っていること」にフォーカスを当ててみました。

間違っている常識①
「依存症は一生治らない」は間違い

最新のカウンセリング治療を受けることができる専門病院があります。検索するといくつか上位に来ますね。
その中の一つ、神奈川県横須賀市の国立病院機構・久里浜医療センターは、これまでの常識を覆す定説を語っています。

画像:検索すると出てくるギャンブル依存症の専門病院

その病院で勤務する精神科医の河本泰信さんはある患者のカウンセリングにおいて独自の考えを示していました。

患者Aさんは約10年前から競馬にハマり、250万円を失った。しかし、それでも懲りず借金で競馬を繰り返す60代女性は、昨夏にギャンブル外来ができたことを受けカウンセリングに来ました。

「競馬は投資。やめない」と最初はかたくなに「老後の生活資金を増やすのが目的」と語っていました。しかし。精神科医と対話を続けるうちに、「お金を増やして周囲の人を助けたい」ともう一つの目的を話始めました。動機が金銭欲だけであれば負け続けて気づくことができますが、名誉欲の一種である「お世話欲」まで競馬に求めていたため、やめられなかったのだとわかりました。

精神科医は競馬をやめろではなく、続けるために条件を出しました。それは、「競馬の目的を一つに絞ること」。金銭欲、暇つぶしなんでもいいのです。目的が一つだと重症化しにくいという考えからだといいます。またその女性には、お世話欲を満たすためにボランティア活動を勧めました。

女性は地域の世話役をはじめたことによって、競馬への興味が薄れ金銭面でも「負け続きで割に合わない」と感じ、つき物が落ちたかのように急速に回復しました。

 

精神科医河本さんはこう考えます。

いまやギャンブル依存症は成人男性の1割近くだといわれています。しかし、そんな国が世界第3位の経済大国でいられるでしょうか。調査の質問はカジノに通う人を対象に作られており、パチンコ店が日常と化している日本は実態以上の疑い例増えていまいます。ギャンブル依存症になっても、大半の人は自然にやめるか、ギャンブルと丁度良い距離感を保つという研究結果があり、深刻化する人は1割ほどだと考えられます。また、医療機関でギャンブル依存症だと診断されると、「一生治らない」と決めつけられギャンブルを禁じられる。上記で紹介した60代女性も、重症レベルだと位置づけられていたり、本来数回の通院で回復できるものも、問題をこじらせているかもしれません。

最新の脳研究においても、一生治らないという根拠はありません。安易な決めつけで患者を追い込まないように気を付けてほしい。社会全体で適切な治療を考えてほしい。と語りました。

 

参考文献:「一生治らない」は間違い…ギャンブル依存症外来より

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間違っている常識②
罰するやり方は間違っている!~ポルトガルの治療法を見習ってほしい~

次の間違った常識は薬物依存症の治療法についてです。ギャンブル依存症も薬物依存症も、根本的な「依存症」という部分については同じです。もちろん薬物依存症は犯罪でありより深刻に見なければなりません。

『依存症は3分類される』~依存症の種類と、クロスアディクションに注意~

この薬物依存症の治療法に関しても、日本では間違ったアプローチの仕方をしているというのです。日本以外の先進国では、これまでの薬物使用の対処法を変え始めているようなのです。

最も薬物乱用の対策で成功しているのは「ポルトガル」です。
あまりピンとは来ないかもしれません。しかし、関係者の中では常識でこのやり方を広めたいと考えている人も多くいるようです。

20世紀中、ポルトガルの若者たちの薬物乱用は深刻でした。そこで、様々な科学的知見を集めて2001年に大きな決断を下します。すべての薬物の少量の所持や使用は非犯罪としたのです。合法化ではなく、非犯罪化。つまり、少量の所持や使用は刑務所いきではなく、プログラム受けない?や治療受けない?と説得し、更生の道に導くのです。また、薬物依存症の人たちを雇用すると助成金が出たり、薬物依存症が手に職をつけて仕事を始めるときは少額の融資をしたり、社会の中で支える仕組みづくりをしていったのです。

その10年後、犯罪が減ったのは非犯罪化したので当然ですが、それだけではなく社会的にも安全になっていきました。その成功の結果は顕著に表れていて、薬物によって死亡する人がまず減り、HIV感染も減り、何より10代で薬物に手を出す人が減りました。この成功例から、国際的には薬物の少量所持や使用は犯罪や刑罰で罰するのではなく、健康問題として見直そうとする動きがでています。日本は一度犯罪としたものを非犯罪化することは難しいかもしれません。しかし、若者の薬物乱用を止めようと思ったら、早期に更生させることが最も効果的なのではないかと思うのです。

参考文献:第5回 世界の主流は「薬物の非犯罪化」より

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◆まとめ│依存症について、理解を深めてほしい

薬物依存症は、薬物によって脳の一部が壊死します。それによって脳が完全に戻ることはありません。

衝撃的事実発覚!薬物中毒者、やめれない理由はパチンコ依存症にも言えることだった!

パチンコ依存症解決のカギは『寂しさ』にあった

しかし、「依存症」という根本的な部分では同じです。依存症になりやすい人の多くは、「孤独感」や「寂しさ」を抱えていて、早期に対処すれば十分回復の見込みがあるのです。

こういった背景などを考えながら、依存症について誤解している点は社会全体で修正していくべきだと考えます。

パチンコ依存症にまつわる20の誤解

そして、依存症の回復に則した法律づくりや社会づくりが、最も日本全体を良くしてくれるのだと思います。