ラット実験でわかった!パチンコ依存症の恐怖

ヒ ト と 動 物

zoutohito

私たちは人間です。ですが、その前に私たちは動物です。
動物は「本能」で動いています。
人間は「理性」で動いています。多くの人は・・・
本能で動いている動物は、理性なんてありません。
例えば食べすぎたからといって、ダイエットをしようとは思いませんよね。
一方人間(特に女子)は年中ダイエット・ダイエットと言っていますよね。
それは容姿を気にしていたり、健康のためであったり、理由は様々です。
ということは、人間は理性が働いているのです。
人間が本能で動くとどうなるか・・・はあまり想像したくありません。

しかし、大部分を本能で、そして少しの理性で行動する人たちがいます。
それが「パチンコ依存症の人たち」です。
こんな言い方をしていますが、批判をしているわけではありません。
彼らはある意味「ギャンブル」の犠牲者だからです。

これから説明するのは、「依存症はどういった状態か?」
また、「なぜやめられないのか?」です。
以前、人体実験に関する記事はこちら(⇒パブロフの犬・サルを完全に破壊する実験)でも紹介しましたが、それは「ラット」といわれるネズミ科の動物による実験でも行われていて、それによってわかることが数多くあるのです。
その実験の説明をしながら、わかったこと、そして依存状態について改めて考えていきたいと思います。

「ラット」の精神崩壊実験でわかったこと

nezumi

有名な実験があります。
ジェームズ・ミルナーとピーター・オールズによる実験です。
それは、二人の勘違いによって、脳の報酬回路に電気刺激を与える電極を差し込まれたラットが異常な行動を取ったことによって判明しました。
その実験とは、ラットがある場所にいったときに刺激を与えると、その場所に執着するようになったというものです。
そして、自分の報酬回路を刺激するレバーをラット自身に与えると、ラットは自分の脳を刺激するために1時間に7000回ものペースでレバーを押し続けたのです。
そして驚いたことに、そうなったラットに「」を与えても押し続けたのです。
罰というのは、足に電流が流されるもので、一度覚えたものをすべて放り出してもやってしまっていたのです。
育児放棄をしてまでもレバーに執着するものもいました。
レバーから引き離さないと餓死するレベルのものもいました。

脳が「刺激」に慣れてくると余計に危険!

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この実験からもわかるように、動物は「快楽」に弱いのです。
生物は本来、繁殖に必要な食べ物・飲み物・生殖行為などを報酬として快楽に感じるようにできています。
それは子孫繁栄のためです。
これは報酬回路と呼ばれ、生き物にとってとても大切なものです。
単純な構造をしている線虫にも備わっているほどです。
この機能を無効化すると、その生物は食事をとることをやめてしまうくらい、無くてはならないものなのです。

先ほどのラットは、電流によって報酬回路に刺激を与えると、レバーを一時間で7000回も押し続けたといいます。
その報酬回路とは「ドーパミン」によって快感になります。
それは本来の生存に必要な飲食だけではなく、ダンスをしたり、勉強をしたり、ゲームをしたり、と様々な場面でドーパミンは放出されます。
そして、これは普段の基準になります。
パチンコなどのギャンブルをすると、味わったことのない快感で脳内がいっぱいになります。
そして、今までの経験と比較します。
短時間での多額の報酬を得る経験が特に危険と言われるのはそのためです。
これが次の基準になります。
これは無意識下で行われるため、気づかない間にそうなっていることが多いです。
過去に行われたその行為の快感の大きさと、それに要する努力やリスクを値踏みし、比較検討した上で決定を下しています。
パチンコのような急激な快感を味わうと、判断基準が狂います。
そうすると、日常生活がなんの刺激もない日々に思い、一気につまらなく感じてしまいます。
そして刺激を得るためにギャンブルをし続けます。
あのラットのように、食事も取らずに夢中になってしまいます。
パチンコなどに熱中していると食欲を感じないのは、脳内のドーパミンによるものです。
快感は生命の危機すら脅かすのです。
ラットも、放置していたら餓死してしまうほどレバーを押し続けるくらいですから。
これが生物の本能だといえるでしょう。