パチンコはコンコルド現象を巧みに使っていた!

ある深夜番組で、紹介されていたものにとても興味深いものがありました。
それはみなさんがよふかしをしている時間帯に放送される某深夜番組で、「みんなのあるある現象の名前は?」というコーナーで紹介されていたものでした。
それがまさにパチンコ依存症そのものだったのです!

コンコルド現象とは?

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簡単に言えば、「ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながると分かっていても、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態」のことです。
まさにギャンブルを象徴する現象が言葉になった感じですね。

もう少し深くいうと、由来は大失敗に終わった超音速旅客機「コンコルド」から名付けられました。
「コンコルド」はフランスとイギリスが共同で作った旅客機なのですが、それがなぜ失敗に終わったかというと、定員が少なかったうえ、燃費も悪く当初から採算ベースにのらないとの見通しはあったものの、とりあえず計画を実行してしまったことです。
実はコンコルドの開発費は1970年代で日本円にして4千億円もの大金をかけていたのです。
この莫大な開発費をなんとか回収するために経営を続けていたのですが、負債が数兆円と膨らみ、英仏共同で行っていた会社は倒産してしまいました。
これがコンコルド旅客機の製造過程から由来している「コンコルド現象」です。
「いままでこれだけ使ってきた」という気持ちが後戻りを許してくれないのです。
そしてなぜか「謎の自信」を持ち始めます。
「今までの負債を取り戻せる気がする!」と・・・

ギャンブル、恋愛、ビジネス・・・

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この「コンコルド現象」は様々なことにいうことができます。
大きな例として3つあります。

①ギャンブル
これは「コンコルド現象」の代表格
例えばパチンコで数万円使ったところで、お財布にお札がなくなっていても、「こんだけ使ったからもう少しで勝てるはずだ!」や「こんなに使ったのに全く戻ってこない!これじゃ損だからもう少しやってみよう!」と思った場面があった方も多いと思います。
そして、本能では損をするとわかっていても賭けてしまう。
自分を破産に追い込んでいる行為だとわかっていても過去に損をたくさんしてきたから何とか取り戻そうと後戻りできなくなってしまうのです。
「当たれば取り戻せる」や「一発逆転」といった言葉はコンコルド現象と密接に関係しています。
結局、負けているんです。

②恋愛
人は長く付き合った分だけその人に「執着」してしまう生き物です。
例えば、こんな経験はないでしょうか。
長年付き合ってマンネリ化してしまっているのはわかっていても、長い間付き合っていたし今までのことを考えると「別れるともったいない」と思うことです。
別れると今までの分が「」という気持ちになってしまい、ズルズルと付き合ってしまうのです。
特に恋愛において冷静に判断するのは難しいので、第三者の意見を参考にしたり、「自分はこのままで満足か」といったことを思い浮かべるだけでも違ってきます。
あとはどの方向に足を進めるか、のみです。

③ビジネス
ビジネスにおいての損害はその金額が膨大になってしまう可能性があり、余計にコンコルド現象を起こしやすいです。
立ち上げ当時は赤字でもしょうがないかという気持ちはわかりますが、それが続くようであれば撤退することもしっかりと視野にいれておかなくてはなりません。
しかし、ここで「初期費用くらいは取り返したい」といった気持ちになるのがコンコルド現象です。
なかなか撤退を決断するということは踏ん切りがつかないのは理解ができます。
そうしてサンクコスト(埋没費用)の呪縛にかかっていくのです。
ダムの建設などの公共事業ではコンコルド現象が頻繁にみられます。
なので、経営学では埋没費用は意思決定の判断基準にしてはいけないというのが常識になっています。

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「自分はコンコルド現象に陥ってる!」という場合は

STOP

例を三つ挙げましたが、あなたは大丈夫でしたか?
コンコルド現象に陥っていると自覚がある場合は、残念ながら選択肢は一つしかありません。
それは「すぐにやめる」ことのみです。
もったいないと思うのは当然ですし、悪いことではありません。
そう思うことが悪いとされるかはそのあとの行動にかかっています。
冷静な判断をするために、「過去に、まだ何も投資をしていない段階と仮定して、判断をし直す」ことが大切です。