「覚せい剤精製所で飼われていたニシキヘビが薬物依存症に」薬物の怖さをおさらい

衝撃的なニュースが飛び込んできました。「依存症」の研究においてまた新たな1ページが刻まれました。
豪ニューサウスウェールズ州でメタンフェタミン精製所でニシキヘビが薬物中毒状態で発見されたのだ。
その背景には、ニシキヘビは覚せい剤を製造していた精製施設で飼われていたということです。

▼下記よりニュースを引用

出典:Rocket News

人気海外ドラマ『ブレイキング・バッド』により、世界中に知られるところとなった薬物メタンフェタミンは、覚せい剤の一種で精製の際に有毒なガスが発生する。

そんな、メタンフェタミンの精製所で飼われていた2メートルもあるニシキヘビが、その煙を吸い込んだため依存症となり、リハビリ施設で更生する事態になったというのである!

▼覚せい剤精製所で飼われていたニシキヘビが薬物依存症に

米ニュースサイト『VICE』によると、豪ニューサウスウェールズ州でメタンフェタミン精製所が当局により手入れを受けた際、そこで発見されたニシキヘビの挙動がおかしく、依存症であることが明らかになったのだという。

同違法薬物を精製する時に、‟コック” と呼ばれる精製者はガスマスクをはめて作業をするのだが、その際発生するガスや煙にさられていたニシキヘビが、依存症になってしまったのである。通常ニシキヘビはジっと動かずにいることが多いのだが、バイクギャング団に飼われていたこの蛇は、当局員らに攻撃的な反応を示していたとのこと。

・依存症治療のためリハビリ施設へ入院

なんでも、ニュージーランドのニュースサイト『nzherald.co.nz』によると、バイクギャング団は精製したドラッグや武器を他の組織に狙われないよう、好んで蛇を飼う場合が多いのだとか。しかし、メタンフェタミンの煙を吸ってすっかり ‟メス・ヘッド” になってしまっては、その務めは果たせないのではないだろうか。

その後、問題のヘビはシドニーの刑務所が運営する野生動物更生センターに引き取られ、更生の道を歩むことに。リハビリ開始後は落ち着きがなく、人間と同じように禁断症状を示していたという。

こうして、順調にリハビリを終えたニシキヘビは7カ月後に見事に更生。元飼い主はムショで刑期に服しているため、更生センターで働く囚人に飼育されながら、クリーンで元気な毎日を送っているそうだ。

犯罪に利用されたうえ、覚醒剤依存症になってしまったとは気の毒なペットではあるが、無事にリハビリを終えて元気になれて何よりだった。

 

ニュース(Rocket News)より引用:
覚せい剤精製所で飼われていたニシキヘビが薬物依存症のためリハビリ施設に入院 / 更生に7カ月もかかる

 

▼覚醒剤精製所で飼われていたニシキヘビが薬物依存症に!

 

▼ここで、薬物依存症の仕組みをおさらい

薬物依存症は依存症の中でも特殊で、物質が体内に残るので物質型依存と呼ばれています。依存症は3分類になっていて、薬物やアルコール依存症などは物質依存、ギャンブルや買い物依存などはプロセス依存、DVや男性依存・女性依存は関係依存です。また、アルコール依存症の人がいつの間にかギャンブル依存症になっていたり、薬物依存症患者がギャンブル依存症になっていたり、多重に発症してしまうケースもあります。これをクロスアディクションと言います。

中でも物質依存は厄介で、直接物質が体内に入っているので「離脱症状」や「強い脱力感」、「極端な恐怖や幻聴・幻覚」などを起こしやすいのです。今回のニシキヘビのように挙動がおかしかったり、薬物依存症患者は大体すぐにわかります。見た目にも行動にも、薬物によっては臭いまで、様々な形で溢れ出ています。そのためニシキヘビも発見が早かったのでしょう。しかし、体内の細胞に薬物が染みわたっていますから、完全克服はそうそう簡単なものではありません。
特に人は「理性と感情」が存在します。これが邪魔をして更生にもっと時間がかかってしまう可能性が高いのです。ニシキヘビは更生に7ヵ月かかったと書いてありましたが、「依存症は一生付き合っていかなくてはならないもの」であることがわかっており、完治という概念がないのです。

体験談を見る⇒パチンコ依存症と薬

▶脳の「黒質」と深い関係がある

こちら(⇒衝撃的事実発覚!薬物中毒者、やめれない理由はパチンコ依存症にも言えることだった!)でも紹介したように、脳はとても単純で神秘的なものです。ドラッグをやってはいけない理由の一つとして、脳の「黒質の壊死」が挙げられます。黒質とは、ドーパミンを司る脳の一部です。楽しい!ドキドキする!ワクワクする!興奮してきた!といった自身を高めるものをコントロールしています。しかし、覚醒剤はそれと似た構造になっており、服用すればするほど興奮を得ることはできますが、本来それをコントロールしていた黒質が働かなくなるのです。

黒質からしてみてば、「他の代替が出来ていたから働かなくていいと思った」という言い分です。そして困るのが、一度壊死してしまった黒質は二度と戻ることはないのです。つまり、覚醒剤を使えば使うほど黒質は死に元には戻らないため、覚醒剤を使い続けなければ興奮が得られない、楽しくないから覚醒剤を使うといった悪循環が出来てしまっています。これを絶つためには覚醒剤を絶つしかありません。また、黒質は身体を動かすこともコントロールしているため、徐々に動けない体になっていってしまいます。

 

▶危険ドラッグ/メタンフェタミンとは?

今回出てきた危険ドラッグ「メタンフェタミン」とは、どういったものなのでしょうか?

世界中で一大旋風を巻き起こした衝撃の海外ドラマ『ブレイキング・バッド』は、余命少ない高校教師が家族に遺産を残すため、ドラッグを精製して麻薬の世界に染まっていくというストーリーだ。シリーズに登場する高純度ドラッグ “ブルーメス” とは覚醒剤のメタンフェタミンのことで、本作の第2の主役とも言えるだろう。

見た目が水晶に似ているためクリスタル・メス” との異名を持つメタンフェタミンは、中枢神経興奮作用をもつ依存性の高い薬物だ。深刻な副作用を起こすことで知られているため、間違っても危険なドラッグに手を出さないよう、恐ろしい副作用についてお伝えしたいと思う。

・常用者の皮膚に見られる傷の原因は!?

海外の映画やドラマに登場するクリスタル・メス常用者の皮膚に、かさぶたのような傷ができているのに気づいた人もいるだろう。メスを吸引すると血管が縮小して血流が悪くなるため、常用していると血管組織が大きなダメージを受けてしまう。そうする皮膚組織が弱ってくるため、吹き出物や炎症・傷ができるのである。

・皮膚の下を虫が這っているような幻覚に襲われる

また常用者は、蟻走感(ぎそうかん)と呼ばれる “皮膚の下を虫が這っているような幻覚” に襲われる。すると皮膚の中から虫を引っ張り出そうと、猛烈に皮膚を掻きむしるようになるのだ。こういった理由で、常用者の顔や皮膚にはかさぶたのような傷ができるのである。

・2~3年で一気に老ける

メスの常用者の写真を見ると、2~3年という短い期間で一気に老けているのが分かる。なかには20歳近く老けてしまったように見える人もいる。

メスを吸引すると血管が収縮して栄養分が肌に行き渡らないため、肌の弾力がなくなりシワやたるみの進行が激しくなる。また食欲減退による体重激減で、顔がやつれて老け込んでしまうのだ。

・「メス・マウス」と呼ばれる症状で歯がボロボロに!!

そして “メス・マウス” と呼ばれる症状で歯がボロボロになってしまうのである。メス使用による唾液の分泌減少は酸の中和作用の低下を招き、歯が欠損する う蝕(うしょく)が進みやすくなる。加えてハイになったまま歯を磨かない不衛生な状態が続くと、さらに虫歯や う蝕を促進させてボロボロになってしまうのである。

・『ブレイキング・バッド』のおかげで取締りが強化

アメリカでは年間およそ2万5000人が、メタンフェタミンの使用で命を落としている。メスを取り上げた『ブレイキング・バッド』が放送開始されたのは2008年だが、ドラマのおかげで放送開始以来、麻薬取締局がメスの製造者を厳しく取り締まるようになったそうだ。

引用:海外ドラマ『ブレイキング・バッド』で知られるメタンフェタミンが引き起こす恐怖の副作用 「皮膚の下を虫が這っているような幻覚に襲われる」など より

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