◆総量規制とは?
では、まず総量規制について紹介していきます。カードローンでもよく見られ、ローンを組む際に非常に大事になってくる総量規制。
これは、「貸付をするのであれば年収の3分の1以下に納めなければならない」という法律を指します。
カードローンでいうと、銀行カードローンは総量規制の対象外で、消費者金融は対象となります。
ただし、この総量規制には「例外貸付」と「除外貸付」があります。
それぞれどういったものが対象になるのでしょうか?詳しく紹介していきます。
◆総量規制にとらわれない「例外貸付」と「除外貸付」
消費者金融でキャッシングする場合、債務者にとってハードルになるのが総量規制です。資金繰りに困る人にとって、「年収の三分の一までしか借りられない」という上限は意外と少なく、頭を悩ませる人も多いでしょう。
ですが、中には消費者金融であっても総量規制の対象とならないキャッシングがあるのを、ご存じでしょうか。
そのキャッシングが、「例外貸付」と「除外貸付」の二つです。
それぞれの代表例としては、おまとめローンや住宅ローンが挙げられ、どちらも総量規制の枠を越えて借り入れることができるんです。
「例外」と「除外」、なかなか区別の難しいところですよね。
今回はその二つの違いと、それぞれにどんな種類のキャッシングがあるのか、細かく解説していきます。
◆例外貸付はあくまでその時限りの「例外」
例外貸付と除外貸付の最大の違いは、その借り入れ額を「賃金業者からの借り入れに含めるかどうか」という点です。
借り入れの際にはあまり気にする必要のない違いですが、次のキャッシングをする時にはそうもいきません。例外貸付で借りたお金は「賃金業者からの借り入れ」として計算しますので、追加融資を申し込んだ際、その金額も含めて総量規制の対象になるか否かを審査します。
具体例で見てみましょう。
年収240万円の方が80万円借りた後、例外貸付によって更に追加で50万円借りたとします。この場合、その例外貸付を返済して年収の三分の一以下まで借り入れ額を減らさなければ、それ以上の追加借り入れができないのです。
あくまで例外は例外、その場限りの総量規制対象外、ということを覚えておかなければなりません。
そんな例外貸付となるローンには、以下のような種類があります。
・おまとめローン
顧客が一方的に有利になる借り換えは、総量規制の対象外と定められています。
・配偶者ローン
夫婦の年収を合わせた三分の一までを借りることができます。条件として、契約時には配偶者の同意書と、婚姻証明が必要です。
・事業性資金
個人事業主としてのキャッシングは、総量規制の例外です。ただし、個人としての借り入れの際も、総量規制の額に含めて審査が行われます。
・緊急時資金
事故や急病による医療費など、突発的かつ緊急性の高い資金用途に関する場合は総量規制の対象になりません。
・つなぎ資金
金融機関からの貸付を受けるまでの、つなぎとして借り入れる場合も、例外扱いとなります。
やはりどれも、一時的な借り入れとなるケースばかりですね。
少し毛色が違うのは事業性資金ですが、事業を始めたばかりの方が運転資金として借り入れするそうですので、これもまた一時的なローンと言えるでしょう。
◆追加借り入れも可能な「除外貸付」
例外貸付は「賃金業者からの借り入れ」に含めるのに対し、除外貸付の場合は全く正反対で、他の審査の際も総量規制の計算対象には含めません。例え住宅ローンなどで年収を越える借り入れがあっても、カードローンの契約を組むことが可能です。
これは覚えておくと良いですね。
ただし、除外貸付を総量規制の対象として計算しないからと言って、審査そのものに影響しないわけではありません。例え住宅ローンの借り入れだとしても、あまりに多額であれば、審査で不利になることでしょう。
その他の特徴としては、数百万円以上の高額融資が基本であること、担保を必要とするローンも多いという点が挙げられます。
例外貸付となるローンには、以下のような種類があります。
・住宅ローン
不動産購入やリフォームに用途を限定したローンです。大抵の場合、購入対象の住宅そのものを担保として契約ができます。
・自動車ローン
自動車やバイクの購入、それに関する諸費用に用途を限定したローンです。担保が不要なことも多いので、使い勝手の良いローンです。
・担保ローン
不動産や有価証券を担保にした高額ローンです。数千万円単位の借り入れをすることも可能です。
・不動産売却代金により返済可能な貸付
売却予定の不動産の代金によって返済可能な場合、総量規制以上の額の借り入れをすることができます。
・高額医療費
本人や親族の医療費、療養費のための借り入れは、自己負担限度額を超えた額については総量規制の除外扱いとなります。
・手形割引による契約
手形を利用した契約によるローン全般は、除外貸付となります。
・金融商品取引業者が行う500万円以上の借り入れ
投資運用会社などからの500万円を越える借り入れは、総量規制の対象から除外されます。この時、借り入れが500万円以下の場合、金融商品取引法の対象にいなるため、総量規制は無関係になります。
・金銭貸借契約の媒介
仲介業者を間に挟んだ借り入れは、除外扱いとなります。
高額融資になるが故に、例外貸付の場合と違い、一時的な借り入れでは終わらず、長期的な返済を見込んだものばかりです。
追加でカードローンなど他のキャッシングが出来ますが、それで生活を破綻させないよう、返済計画は入念に練り込まなくてはなりません。
除外貸付は、特に起業を考えている人には絶対になくてはならない制度です。
◆一覧でみる
上記で紹介したものは身近な例を挙げたものですが、さらに詳細を知りたい方はこちらも活用ください。
総量規制 | |
例外貸付 | 除外貸付 |
● おまとめローン |
● 住宅ローン ● 自動車ローン ● 担保ローン ● 高額医療費 ● 手形割引による契約 ● 金融商品取引業者が行う500万円以上の借り入れ ● 金銭貸借契約の媒介 ● 不動産購入または不動産に改良のための貸付け(そのためのつなぎ融資を含む) ● 有価証券担保貸付け ● 不動産担保貸付け ● 売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付け |
「除外」と「例外」、二つの貸付をしっかりと理解し、使いこなしていきましょう。
カードローンのご利用は計画的に。