女社長はパチンカス

慕っていた女社長の素顔

私は便利屋というか、何でも屋に勤めている28の男です。私の会社のほとんどの仕事は、掃除を中心にしたまに引越しや家宅修理なども行います。社長は60代の女性で人当たりもよく、我々社員にも優しく接してくれます。現場にもよく出てくれるのですが、いつも15時頃に我々に作業を任せて帰ってしまい、私は家で経理などを行っているのだろうと思っていました。

私が帰り際、駅前のパチンコ屋さんでトイレ借りに寄った時に社長を発見しました。その後よく帰り際にそのお店によるといつもタバコをふかしながら社長が座っていました。勝っており、箱を積んでいる時も、負けている時も同じ表情で社長は座っていました。

たまたま現場で社長と2人になった時に私は言ってみました。「社長、この前パチンコ屋でみましたよ」と言いますと、社長は「あなたもパチンコやるの?」と笑顔で話してきました。その後、どの店が出るとか、どの時間帯が出るとか熱く語っていました。

話を聞いてみると、恋愛もせずに仕事だけをずっとしており、息抜きでやってみたパチンコが思いの他楽しく、30代からパチンコ暦30年のベテランだそうです。笑いながら、今までに1000万円は使ってしまったと言ってましたが、多分それ以上負けていると思います。


人に恐怖を感じるとき

この前また社長を見かけたので、偶然を装い近くの台に座って、飯でもおごってもらおうと考えました。私もパチンコを打ちながら、社長を観察していると大変驚きました。いつもはニコニコしており、怒鳴ったり激しい行動を取らない社長ががんがんパチンコ台を叩いていました。私はちょっと怖くなり、その日はそのまま帰りました。

いつもは10円の値上がりに文句を言う主婦がパチンコ屋で1万円札をバンバン使うとよく言われますが、パチンコ屋へ行くとお金の価値観だけではなく、人格も変わってしまうのかと衝撃をうけました。


自分だったらこんな人生は嫌だ

私もそれを見るまでは私もパチンコをたまにですがやっていたのですが、もう今はやる事はありません。やはり、いつもニコニコ優しい社長が、パチンコ屋では暴力的になるのを見るとパチンコは怖いと感じました。

社長の人生ですので好きにすれば良いと思いますが、60歳になり、唯一の楽しみがパチンコだけという人生は私は歩みたくありません。社長も結婚して、子供などいたら違っていたのかと思いますが。

パチンコ中毒の人生も本人からするともしかしたら楽しいのかもしれませんが、客観的にみて可哀想に思います。私は、いつもニコニコしている社長、あの無表情にハンドルを握る社長、台を叩く社長を見て、パチンコを辞めました。