何が原因でハマるのか?

パチンコに興味がない人にとっては「何でそんな苦しんでまでやるのだろう?」と不思議で仕方がないと思います。また、パチンコを趣味の範囲で楽しむことが出来ている人からしても「生活を圧迫するくらいまで使い込むなんて信じられない」と思われるでしょう。何が原因で「パチンコ依存症」なんて病気っぽい名前までつけられるほどハマってしまうのでしょうか?


パチンコ依存症になる理由

趣味の範囲で楽しんでいられるかどうかの境目は、その人にとって「大金」と呼べるだけの金額を1回の遊戯で得たかどうかだと思っています。私が初めてやったのは高校を卒業してすぐの18歳のことでした。

週1~2日のアルバイトしかしたことがなく、月々のバイト代は3万円行くか行かないかぐらいの人生を歩んでいた時、友達とノリで「18歳以上で出来るようになることを全部やってみよう!」という計画を立て、その計画の中に「パチンコをやってみる」というのが入っていたのです。何も分からずにおっかなびっくりでやり始め、当時の時給1時間分以上の金額である1000円が一瞬にして消えていく怖さに、すぐにやめようかと思ったのですが、たまたま隣に座っていたおじいさんに「お姉ちゃん、その台アツいよ。あと2000円でいいからやってみ」と言われ、やってみたら本当に大当たりしたのです。使ったお金は2500円で「8万円の大勝」を経験してしまったのです。 喜ぶ女性イラスト
この後物凄い地獄が待っていると知らなかった頃…。

金銭感覚をブチ壊された経験の有無が明暗を分ける

1か月の内8日働いて3万円前後という稼ぎだった時に、2時間パチンコ店にいただけで8万円を得たというのが全ての始まりだった気がします。この時に私の中での金銭感覚が一気に狂いました。勝てば祝杯だと言って友達を呼んで飲み会を開き(会計は全部私のおごり)、負ければ自棄酒だと馴染みの店で暴飲暴食。どっちにしろ「明日勝てば、今日使った分くらい簡単に取り戻せるんだ」という思いが背中を押している暴挙です。


引き際が分からなくなる

この「今までの『普通』が狂うほどの大勝」を経験した人は、「私は大丈夫だ。あの時8万円も勝っているんだ。まだ5万円しか使っていない。今、連チャンを引けば3万円のプラスだ」と考えてしまい、適度なところでやめるということが出来なくなっている人です。 またタチの悪いことに、何度も何度も通っていれば、そりゃもう2~3回くらいは「目玉が飛び出るぐらいの大連チャン」を体験できるのです。「ほらやっぱりな!諦めたら負けなんだよ!」と意味の分からない自信を裏付ける出来事が1回や2回だけじゃないから厄介なのです。


「普通」を取り戻すことがカギとなる

つまり、「ごく普通の金銭感覚を取り戻すこと」がパチンコ依存症治療のカギとなるのですが、人間、一度狂った金銭感覚を取り戻すのは非常に難しいのです。特に、「上」の方に狂った金銭感覚を、「下」の方へ戻すのはかなり困難です。お金のかかるものはやはり美味しいですし、カッコいいですし、手に入れた時の満足感もそれこそ桁違いです。値段がそれなりのものは基本的に「それなり」でしかないので、何だかもったいないことをしている気分になってしまうのですね。本当は分不相応なものを買って人生を間違える方がもったいないのですが、「上」の金銭感覚に慣れてしまうと、満足感の薄いものにお金を使うことの方がもったいなく感じてしまうのです。


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