パチンコ依存症にまつわる20の誤解

パチンコ依存症・ギャンブル依存症になってみて初めてわかることってたくさんありますよね。
また、誤解していたこともたくさんあると思います。

ということで、今回は「ギャンブル依存症にまつわるつの誤解」について紹介していきます。
一般的に言われていることからコアなものまで、「依存症」にはかなり多くの謎や誤解があります。
ギャンブル依存症はとても身近なものにも関わらず、あまり知られていなかったり誤解されていることが多くあるのです。

 

これより、「YOMIURI ONLINE」で紹介されたパチンコ依存症患者が作成したコラムや、2007年8月に帚木蓬生氏の小倉での講演の資料よりいくつか抜粋、リライトしたものを紹介していきます。

ギャンブル依存症で誤解されていること20

 

誤解① きっかけはビギナーズラック

「ビギナーズラックで大勝し、依存症に・・・」といった方を良くみかけます。
有名人がギャンブル依存症になったきっかけとして語ることが定説のようになって一人歩きしてしまったりもあるでしょう。もちろん、そういった人もいますが、それだけではありません。
何がきっかけでなるかわからないということがギャンブル依存症の恐怖でもあります。

誤解② ギャンブル依存症はごくまれな病気である

ギャンブル依存症は病気です。しかし、稀か?というとそうではありません。
先進国の日本ですが、世界的にみてもワーストでギャンブル依存患者が多いです。他の先進国は人口の1%以下なのに対し、日本は5%ほど。また、予備軍も合わせるとどんな数字になるのか知るのが怖くなるくらいです。
これはギャンブル依存症は決して稀な病気ではなく、莫大な患者数が存在することを証明しています。

誤解③ ギャンブル依存症は行政が関与する余地はない

上記でも述べたように、ギャンブル依存症の患者数がここまで存在しているからには、行政が関与しなければならないほど深刻になっていると捉えられます。
2017年2月現在、カジノ法案などで国全体が変わろうとしていることで、ギャンブル依存症の対策にも注目がいっています。(⇒『カジノ法案』が盛り上がっているのでパチンコ依存症との密接な関係に触れてみる
行政が関与する余地はないどころか、全く足りていないのです。

誤解④ ギャンブル依存症は性格の弱い人がなる

ギャンブル依存症は、誰でもなる可能性を秘めており、性格が関係するものでもありません。
そうなるようにシステム化されたものなので、弱い・強いの問題ではないのです。
また、「責任感が強く真面目で、自己表現が苦手でストレスを溜めやすい人」がなりやすいも言われていました。
一概にそういえるわけではなく、「あくまでも傾向を考えると」というものです。日本人は基本的に真面目ですし、かなり当てはまってしまうことになります。(⇒ギャンブルで一家破滅!?パチンコ依存症は遺伝するのか?

誤解⑤ 大勝したときの快感をまた味わいたいからしている

ギャンブル依存症の厄介なところは、勝っても負けてもドーパミンがドバドバ出てしまうということです。(⇒【まとめ】すべては脳次第。パチンコ依存症がもたらす脳への影響4選
つまり、勝ちによっても興奮状態を引き起こしますが、負けても同じくらいの興奮状態であるため、大勝が快感というわけではないのです。
事実、部分強化の時の方が依存度が増します。(パブロフの犬・サルを完全に破壊する実験
悲しきかなそれが本能ということですね。大勝ちの快感ではなく、ギャンブルをしている快感ということです。

誤解⑥ 高齢者は分別があるからギャンブル依存症になりにくい

パチンコ店にもたくさん高齢者がいますね。分別のある・なしに関わらず、老若男女だれでもかかってしまう可能性がある怖い病気です。

誤解⑦ 女性はギャンブル依存症になりにくい

こちらも誤解ですね。老若男女問わず生じます。

誤解⑧ ギャンブル依存症者はどんなギャンブルも好きである

これも、すべての依存症患者が当てはまるわけではありません。
中にはまんべんなくギャンブルが好きな方はいらっしゃいますが、依存症で悩んでいる患者さんは対象が一つのことが多いです。
パチンコであればパチンコに毎日通ってしまったり、競馬であれば競馬場にどうしても向かってしまったり・・・
習慣化しているという特徴もあります。

誤解⑨ パチンコ・スロットはギャンブルではない

いいえ、むしろギャンブルの代表といっても過言ではないかもしれません。
パチスロは国が許可している公営賭博とは異なり、かなりグレーゾーンのれっきとしたギャンブルです。

誤解⑩ 時々ギャンブルをしている分にはギャンブル依存症にはならない

ギャンブル依存症の怖さは、頻度や間隔というところも大事ですが、いつ悪化してしまうかもわからないところです。
「時々だからならない」という認識の甘さは、後に大きな代償を払わなくてはいけなくなるかもしれない油断となってしまいます。

誤解⑪ ギャンブル依存症者はプロのギャンブラーみたいなものだ

ギャンブル依存症患者は、プロとは全く異なります。
前者は病人、後者は医者というくらい違いがあります。
実際にパチプロさんなどは依存状態ではありません。「仕事だからやっている」と割り切っています。

誤解⑫ ギャンブル狂いでも借金していなければまだ病気ではない

借金は依存症患者のレベルを表す上で大事なポイントの一つとして考えられますが、借金していないからといって病気ではなくなるわけではありません。
ギャンブル依存症自体が病気なのですから。借金は目安であって、決定打ではありません。

誤解⑬ ギャンブル依存症者は生活に行き詰ると自殺しやすい

自殺のしやすさ・しにくさは本人によるものなので、ギャンブル依存症とはまた別のベクトルとなります。
故に、因果関係があるとは言い切れません。
ギャンブル依存症による自殺はニュースでは報道されませんから、あまり私たちの耳に届くことはありませんが、そういった可能性が一つあるということは認識しておいてください。(⇒ギャンブル依存症による自殺を、テレビでは報道しない

誤解⑭ ギャンブル依存症はアルコールや薬物と違って離脱症状はない

これは大きな誤解です。アルコールや薬物は体内に入るものなので、より直接的な離脱症状が起こることは想像できると思いますが、ギャンブル依存症にも離脱症状は存在します。
それは、ギャンブル依存症も他の依存症と同じように脳と密接に関わっているからなんです。(⇒【まとめ】すべては脳次第。パチンコ依存症がもたらす脳への影響4選
脳が変形してしまいます。この状態を、「大根がたくあんになる」というような比喩が用いられます。依存症は脳を変形させるので、これによって離脱症状が起きてしまうのも、全く不思議ではありませんね。

誤解⑮ ギャンブル依存症は意思をしっかり持つことで治る

これも大きな誤解です。上記でも述べたように、脳が変形することによって依存状態に陥りますので、意思の問題ではなくなってきてしまっています。
また、依存症自体に「完治」というゴールはないので、いかにその行為自体を止めて、止めて、止め続ける状態をキープするかになります。

誤解⑯ ギャンブル依存症は家族の対応次第でよくなる

ギャンブル依存症の治療に家族が関わることは良いとされています。しかし、家族の対応が変わったからといって治るわけではありません。
逆に、家族の対応によっては悪化させてしまうこともありますので、依存症患者の家族は正しい知識と理解を持つことをオススメします。

誤解⑰ ギャンブル依存症は自然治癒する

いいえ、しません。
ギャンブル依存症は、風邪のように免疫を高めれば良い・良く寝ればOK・風邪薬を飲めばOKといったものではありません。
ましてや自然治癒など全くもって事実とは異なります。
放置しておくのは問題の解決にはありませんので、注意してください。

誤解⑱ ギャンブル依存症は借金を完済すれば治る

これが家族の間違った対応の代表的なものです。裕福な家庭において実際に起こった悲劇なのですが、その結末はギャンブル依存症患者の子供の借金をすべて親が肩代わりをし続け、ついに治らなくなってしまいました。
このように、借金などの負債を肩代わりし誓約書を書かせても、根本の解決にはなりません。
むしろ、間違った方法によって治るものも治らなくなってしまう例もあります。
こういった間違った認識はしないようにしていただきたいです。

誤解⑲ ギャンブル依存症に効く薬がある

先ほども言いましたが、「依存症」は病気ですが投薬治療が行えません。
このような間違った認識には気を付けてください。

誤解⑳ ギャンブル依存症は自助グループ(GA)に数回参加すれば治る

依存症の怖さを知っていればこういった発想にはならないかもしれません。
もちろん、これも大きな誤解です。
ギャンブル依存症を治療する施設は複数ありますが、(⇒【まとめ】ギャンブル依存症の治療を専門としている施設6選
ただ参加すれば良いというわけではありません。
「治したい」という強い気持ちと努力がなければ成立しません。

 

◇まとめ|ギャンブル依存症はいつ誰がなぜなるかわからない!

ギャンブル依存症は病気です。
そして、認知度が極めて低いです。
こういった誤解が数多くあるかもしれません。
正しい認識を持つことが治療の第一歩です。

要約すると・・・

ギャンブル依存症は老若男女問わず誰でもかかってしまう病気であり、
自然に治るということはありません。
またきっかけも症状も十人十色です。
「○○だからかかる」という法則がない分、気を付けなければなりませんね。
またギャンブル依存症は精神病ではなく脳の機能障害です。
これによって、「ギャンブルがしたい」という欲求がコントロール出来ないといったことが起こります。
コントロール出来ない他の例も、多額の借金や度重なる嘘、自己弁護、周囲の人への配慮、相手を思いやることができなくなる人間性の欠如なども、この脳障害によるものだと思われます。
脳が変わるとヒトが変わります。
依存症は脳が変形するという恐ろしい状態になっていることは頭の片隅に入れておいてくださいね。